【吉田恭平のスタンドプレイ 第9回】イタリアトライアウト-ミラノ編その2

「俺も入れてくれ!」と、チームの輪に自ら入っていった。

そして、その後練習場へ向かう。
練習場は、ミラノ郊外にある複合型スポーツ施設で、クルマで約1時間ほど。

練習前には、ビーチサッカーコートの隣にあったビーチバレーコートで、チームメイトとフットバレー。 少しでもコミュニケーションを取る事を心掛け、「俺も入れてくれ!」と、チームの輪に自ら入っていった。 というのも、チームメイトは「この日本人は一体どんな奴なんだろう?」と思っているのが伝わってきたからだ。イタリア人は、人懐っこい性格というか、社交的な人が多い印象を受けていたので、自分から心をオープンにして飛び込んでいくことで、チームメイトが受け入れてくれた。

そして、トレーニング開始時間。 今日のトレーニングは約1時間半ほど。 まずは、2人組でパス&コントロールのトレーニング。

ここからは、自分の一挙手一投足が監督にチェックされているという意識を持ちトレーニングに取り組む事が大切だ。
パス&コントロールの次のメニューは、シュート。 ビーチサッカー特有のプレーであるスコップ(ボールをすくい上げ浮かす事)からのシュートのトレーニング。

ビーチサッカーとは、サッカーから派生したスポーツであり、その国のサッカー文化・スタイルは、ビーチサッカーにも色濃く反映されている事が多い 。
イタリアのサッカーといえば、「守備の文化を持つ国」として知られている。
「ウノ・ゼロ」…つまり「1−0」で勝つ事。
1点を取り、相手を0点に抑える。 その強固な守備は、カテナチオ(南京錠)と称される程。

これは、裏を返せばゴールを決めるプレーヤーが高い価値を持つと解釈する事が出来る。だからこそこのシュートトレーニングは自分にとって重要だ。 チームメイトの誰よりもゴールを決める必要があった。
だが、1つ問題があった。 イタリアはゴールキーパー大国でもある。ゴールマウスに立つゴールキーパーは、日本ではあまり見掛けないスケールを持った、190㎝に届こうかという高身長で腕も長い。

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