田畑輝樹インタビュー W杯を振り返って

ワールドカップお疲れさまでした。
今日はワールドカップ含め代表チームのことなどについてもお聞きしたいと思います。

よろしくお願いします。これはけっこうぶっちゃけてもいいんですか?(笑)

はい(笑)
田畑さんが感じたことをそのまま聞かせてください。

わかりました。よろしくお願いします。

まず、大会の手応えはどうでしたか?

ここを勝ちきればいけるぞ!という「やれた」「勝てた」「優勝できたのでは」なんて手応えは皆あったと思いますよ。

4位という結果は皆悔しいんじゃないですか。もっといけた、という思いがあったからこそすごい悔しさはありますが…まあ結果は4位なので何も言えないですけど。

インターコンチネンタルカップなどを含めて、ワールドカップまでの1ヶ月間、ずっと代表チームで行動していましたが、チームの雰囲気はどうでしたか?

正直言ってチームの雰囲気は良くなかったです。直前のインターコンチネンタルカップではワールドカップ本戦準優勝のイタリアを相手に勝利もしましたが、雰囲気は全然良くはなかったです。

チーム全体がピリピリしていて、全員ではないですがミスした選手への言葉が文句のようになったりと見ていて単純に良くなかったと思います。
良くするためにどうするか、でなく文句になってしまい話し合いにならない。チームのプレーが上手く噛み合わず悩んでいる選手も多かったと思います。気持ちの部分はあっても戦術や守備など具体的にどう戦っていくかという統率はとれてず、トータルで見たら噛み合っていなかったです。

大会が始まってからはどうですか?

うーん、選手一人一人はもうやるしかないという開き直りはあったかもしれませんね。

僕自身もそうでしたし。一番近くにいた同部屋のクマ(赤熊卓弥)もそうですけど、彼は特に点を取るポジションだから周りからの要求も高かったし、色々と言われたり結果に繋がっていなくて色々と悩んでいた時期もありました。でも大会が始まってしまったら「やるしかない」「自分の良さを出せばなんとかなる」といったものがあって結果活躍できたと思います。

チームどうこうというのも大事だけど、選手一人一人の「やるしかない」という気持ちがチームとして上手く良い方向に向かったのかもしれませんね。
厳しいですけど、よくあれで勝てたな(笑)という感じもあります。

初戦パラグアイ戦で終了間際の赤熊のゴール

大会で一番印象に残ったチームはどこですか?

うーん、やっぱりロシアですかね。

個人的な意見ですが、やりにくかったです。優勝したポルトガルも強かったですけど、トータルで見たらロシアは嫌な相手でした。試合の運び、ゲームの作り方、こちらが嫌なことをしてくる。こちらがリードしていても全く焦りがない。その中で追いつかれて逆転されて、リードしたら上手くゲームを運ぶ。そういうところは上手いなと感じました。

シンプルな事をやっているけどゲームを作るのが上手い。やっぱり選手一人一人が自分がやる事をよく理解していますね。

南米がいない、ヨーロッパ3チーム+日本というベスト4をどう見ますか?

サッカーもそうですが個は南米、チーム力はヨーロッパという感じがします。ヨーロッパはその中に凄い上手いプレイヤーがいたりとか。

チーム力を考えると戦術は重要だと思います。特に日本のビーチサッカーにはそういう面をもっと取り入れた方が良いのではと前から思っていました。戦術というベースがありつつ、個の良さを出す即興性があれば日本も世界の上位でもっと戦えると思うんですけど。粘り強さとか走るという部分は日本の強みなので、それにもうちょっと違うもの伸ばしてプラスできれば勝つ確率も上がるんじゃないかな、と僕は思ってます。

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