【吉田恭平のスタンドプレイ 第8回】イタリアトライアウト-ミラノ編その1

ヴィアレッジョからミラノへ

ミラノへと向かう列車から、ふと外を眺めると自然豊かな風景が流れている。国は違っても、自然豊かな美しい風景は心をリラックスさせてくれるもの。

言語や宗教・文化の違いはあるけれど、人間には普遍的な感性がある。それはビーチサッカーでも同じ事。日本から遠く離れたヨーロッパの国・イタリアと自分を繋げたスポーツというものの素晴らしさを感じながら、イタリアの原風景を眺めていた。

ミラノとヴィアレッジョは対照的な土地だ。ビーチリゾート地で自然あふれるヴィアレッジョ。それに対して、ミラノはイタリア北部の大都市。ファッションとデザインの世界的中心地。また芸術と文化の歴史は、ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)や、レオナルド・ダヴィンチの壁画(最後の晩餐)があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院に見て取れる。
フットボールでは、世界有数のビッククラブ「ACミラン」・「インテル・ミラノ」の本拠地として知られている。

僕がトライアウトをする「ミラノ・ビーチサッカー」は、ACミランの系譜を継ぐクラブ。イタリアビーチサッカー界では、セリエA優勝4回・コパ・イタリア優勝4回・イタリアスーパーカップ優勝1回の抜群の実績を誇るチーム。

ミラノ到着〜会長、監督と夕食へ

ミラノ中央駅に降りると、ものすごい数の人が行き来している。さすがは大都市。
駅にはクラブの会長と監督が迎えに来てくれていた。挨拶を交わし駅を出ると、街並みは美しく素晴らしい景観だった。

その夜、会長と監督と夕食を食べに行くことになった。
レストランに着くなり、会長が「ミラノに来たら、エレファントカツレツを食べろ!」と熱弁していたので、どんなものかもよくわからないがエレファントカツレツを注文した。
エレファントってサイズの方かい!!

食事中、通訳を回しながら、ビーチサッカーのこと、ミラノの街の事を話した。
イタリア人は自分の故郷、生まれ育った街への愛着が非常に強いんだろう。ヴィアレッジョよりミラノの方がいい街だよ!ミラノは素晴らしいよ!と熱っぽく何度も繰り返していた。
食事を終え、ホテルに帰る道中、会長がこう言った。

「キョウヘイ、サッカーに国境はない。実力のあるものが生き残る実力の世界だ。残酷だが、反面美しいことでもある。それを勝ち取る事だ」と。

ミラノでのトライアウトは二日間。
短い時間だが、そんな事は関係ない。
生き残るために、ベストを尽くす。

続く

吉田恭平

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