【吉田恭平のスタンドプレイ 第9回】イタリアトライアウト-ミラノ編その2
自分の居場所を掴み取る為に全精力を傾けた
集中力を高め、1本目のシュートを打つ。ボールは良いコースへ飛んだが、ゴールキーパーに防がれた。 これは、かなり良いコースに打たなければ、ゴールは決められない。そこで、ビーチサッカーならではのシュートを打つ事にした。
ビーチサッカーでは、砂の凹凸を利用し、あえてシュートをキーパー手前でバウンドさせる事で不規則にボールの軌道が変化し、キーパーが反応出来ない事がよく起こる。
この様な工夫を織り交ぜる事で、このシュートトレーニングで誰よりもゴールを決める事が出来た。たかが練習の中の1つのメニューだが、自分の居場所を掴み取る為に全精力を傾けた。
休憩中にゴールキーパーが近寄ってきて、「セイ グランデ」と声を掛けてきた。
日本語で言えば「お前やるな」といった所だろう。 さっきのシュートトレーニングを経て、少し自分を認めてくれたのだろう。だがまだまだこれからだ。
その後は、対人トレーニング。ヴィアレッジョでも感じた事だが、動きの中でのボール扱いを見ると正直、日本人の方が巧さや技術は高いなと感じる。だが、ボール際の激しさや、ゴールへの執着心には目を見張った。そして何より全員が自分の特長を前面に出してプレーしていた。
味方同士でガンガンやり合う激しいトレーニングは、時間を忘れさせ、気が付けば約1時間半のトレーニングは終わりを迎えようとしていた。
こうしてミラノでのトライアウト1日目は終了した。
トライアウト2日目、最終日となる明日は、ミラノBSと同じくビーチサッカー・セリエAの「ブレシアBS」とのトレーニングマッチ。
明日のトライアウトが、まさに「勝負所」となるだろう。
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